1.相対性理論とは?簡単な説明

相対性理論

相対性理論とは?簡単な説明

1.相対性理論の構成

 相対性理論とは、ざっくり言うと、「空間と時間(時空)及び重力について」の理論である。もっと詳しく言うと、相対性理論ができる前までの空間や時間についての認識はニュートン力学における空間や時間についての考え方で正しいと思われていたが、電磁気学や光に対しての様々な考察や実験結果から空間や時間に対しての考えを改める必要が生じたため、新しく空間と時間について考え直し、さらには重力についても新しく考え直した理論が相対性理論である。ニュートン力学と電磁気学については今後、このブログにて随時、解説していくつもりである。

 まず初めに、相対性理論の「相対性」とはどういうこと?と疑問を持たれる方もいるかもしれない。この相対性を理解するには、今後、投稿する相対性理論の記事をご覧になったほうが早いかもしれないが、一度、感覚的な説明を行ってみる。
 ウエイトリフティングをやろうとしている少女とボディービルダーの男がいるとする。30kgのバーベルを持ち上げるとき、少女からすると、とても重いと感じるだろう。それに対し、おそらくボディービルダーの男はあまり重くは感じなだろう。しかし、30kgという重さは誰からみても同じである(あまり厳密ではないが)。このように、観る人の立場によっては同じ対象のものの感じ方や見え方が違うのことを相対的であるといい、比較対象(少女からみればボディビルダーであり、ボディビルダーから見れば、少女)と比較したときに相手より余裕で持ち上げられる、または相手より持ち上げるのが難しいということが言える。対して、一つの対象について、すべての人が同じことを言えたら、それは絶対的であると言う。このようなことが相対性理論でも述べられている事であり、相対性理論では、比較対象の運動状態などで時間の進み方や空間の伸び縮みが相対的に変化するということが言えるため、相対性理論と名づけられたと考えられる。

 相対性理論は2種類の理論から成り立っている。具体的には、「特殊相対性理論」と「一般相対性理論」から構成されている。文字面だけ観ると、特殊相対性理論は、一般相対性理論よりも何か特別な理論であるかのような感じがするかもしれないが、特殊相対性理論は、一般相対性理論の一部分を成す理論であり、より様々な場合に対応できる理論という意味では、一般相対性理論の方がより優れている理論と言えるだろう。

 もっと、それぞれについて詳しく説明すると、「特殊相対性理論」は、速度が一定な観測者における時間と空間の理論である。それに対して、「一般相対性理論」は、加速している(速度が変化している)観測者における時間と空間に関する理論である。また、さらに言うと、「特殊相対性理論」は平坦な時空についての理論であり、「一般相対性理論」は曲がっている時空についての理論である。時空?平坦?曲がっている?と疑問を持たれるのは当然のことであるので安心してもらいたい。今回の記事では詳しいことは述べないが、少し感覚的に説明すると、時間と空間というのは全く別の概念であるような気がするかもしれなが、相対性理論では、時間と空間はほぼ同じものとして扱われる。なので、時間と空間を混ぜて時空という呼び方をしている。

 また、ここで、薄っぺらい伸び縮みするゴムシートを想像してもらいたい。そのゴムシートの上でしか存在できない人がいたとして、そのゴムシートが伸び縮みしておらず、曲がっていない、つまり平坦なゴムシートの上にいる人に適応できる理論が特殊相対性理論である。対して、伸び縮みしており、かつ、曲がっているゴムシートの上にいる人に適用できる理論が一般相対性理論である(平坦なゴムシートの場合も含んでいる)。今の例では、簡単のために、時空をゴムシートに例えて2次元の時空での話をしたが、相対性理論では4次元の時空が舞台となるため、少し複雑になる。だが、基本的な考え方はゴムシート上での話と同じなので、そこの部分をもっと詳しく数学を用いて理解するのが相対性理論の目標の一つである。

 相対性理論が発表されたのは、今から約100年前くらいであり、皆さんもご存じではあると思うがアルベルト・アインシュタインが発表した理論である。先に発表したのは特殊相対性理論であり、その後、一般相対性理論を発表している。よく、アインシュタインのことを20世紀最高の物理学者と評されるが、その理由の一つとして現代物理学の基礎となっている相対性理論をほぼ一人で完成させ、さらにはもう一つの現代物理学の基礎である量子力学の発展にも貢献した人物の一人であることから現代物理学に大きな影響を与えたことが挙げられる。

2.相対性理論の帰結

 特殊相対性理論と一般相対性理論から得られる代表的な結論を簡単に記載する。

 

 特殊相対性理論

 1. 時間の遅れ

  相対的に運動している人の時間の進みは遅れる。

 2. ローレンツ収縮

  相対的に運動している人の空間は縮む。

 3. \(E=mc^2\)

  質量とエネルギーは等価である。

 

 一般相対性理論

 1. ブラックホール

  光が出てくるのに無限の時間がかかる

 2. 宇宙の膨張

  ハッブルの法則を一般相対性理論に適用すると、宇宙が膨張するという結論

 3. ダークエネルギー・ダークマター

  宇宙項を含めて考えると、未知のエネルギーや未知の物質の存在を予言

 4. 水星の近日点移動

  ニュートン力学では説明ができなかった水星の軌道を説明

 5. 重力レンズ

  重力によって時空が曲げられ、その時空に沿って光が進むことにより、光が曲がる

 6. 重力波

  物質に加速度が生じたときなどに生じる時空のさざ波

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